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が、しかし。「その親切さは難しさの裏返しなのね…」と思いたくなるほどに予想はままならない。まず出走表の数字は初心者には解読不能。すぐに座布団と化してしまった。一方のスポーツ新聞は、ヒントであるはずの選手の一言コメントが「○○君の番手」とか「同県で△△さん」とか「自力で頑張る」といった調子で、笑っちゃうほど意味不明。何なの?ケイリンって! |
こういう場合は誰かに教えてもらうべし。かつて、『競艇はじめて物語』の取材で出会ったオジサンたちは「いいの、いいの。何にも知らない方が当たるよ」とアドバイスしてくれたものだが、競輪場のオジサンはまったく対称的だった。 「ダメダメ。何にも知らないんじゃ当たるわけねーよ。いいか、まずはラインだ!」と、こうして予想の伝道師(単なる予想自慢のオジサンともいう)は私にレクチャーを始めた。 |
彼の教えを早送りで再生しよう。
競輪選手のタイプには「先行」と「追込」があって、先行の後ろに追込が一列に並ぶ「ライン」ができる。先行タイプが3人いればラインも3つ。同じ出身地とか同期といった気心の知れたもの同士でラインを組み、自分たちが有利に展開できるように協力しあう。よって単に個人が強いだけでなく、ラインの展開を予想するのが競輪なのである。一般的には、強い先行の番手(2番手のこと=風圧をよけられる)が有利らしい。 |
よーするに、最後の最後は個人競争だけど、競輪ってある意味チームプレーなんである。そんな大事なことをちっとも知らなかった。ついでに言えば、競輪の自転車にブレーキがないなんて(不要だから?)、競輪選手にはスネ毛がないなんて(邪魔だから?)、ちっとも知らなかったよー! |