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競輪はじめて物語
第2回「予想の伝道師に学ぶ」 レースの決め手は「ライン」にあり。予想には専門紙が必須です!
ファンに優しい、立川競輪場はビギナーにもおススメ!
立川競輪場はファンに対してとても優しい。インフォメーションでは、各選手のデータが並んだ「出走表」を配布しているほか、一般のスポーツ新聞もなんと無料でプレゼント(しかも2種類)。“初心者コーナー”ではレースの流れ、車番の色分けなどをパネルや映像で解説しており、ビギナーでもすぐに楽しめそうなムードである。
予想の伝道師にレクチャーを受ける。
が、しかし。「その親切さは難しさの裏返しなのね…」と思いたくなるほどに予想はままならない。まず出走表の数字は初心者には解読不能。すぐに座布団と化してしまった。一方のスポーツ新聞は、ヒントであるはずの選手の一言コメントが「○○君の番手」とか「同県で△△さん」とか「自力で頑張る」といった調子で、笑っちゃうほど意味不明。何なの?ケイリンって!
こういう場合は誰かに教えてもらうべし。かつて、『競艇はじめて物語』の取材で出会ったオジサンたちは「いいの、いいの。何にも知らない方が当たるよ」とアドバイスしてくれたものだが、競輪場のオジサンはまったく対称的だった。 「ダメダメ。何にも知らないんじゃ当たるわけねーよ。いいか、まずはラインだ!」と、こうして予想の伝道師(単なる予想自慢のオジサンともいう)は私にレクチャーを始めた。
彼の教えを早送りで再生しよう。
競輪選手のタイプには「先行」と「追込」があって、先行の後ろに追込が一列に並ぶ「ライン」ができる。先行タイプが3人いればラインも3つ。同じ出身地とか同期といった気心の知れたもの同士でラインを組み、自分たちが有利に展開できるように協力しあう。よって単に個人が強いだけでなく、ラインの展開を予想するのが競輪なのである。一般的には、強い先行の番手(2番手のこと=風圧をよけられる)が有利らしい。
よーするに、最後の最後は個人競争だけど、競輪ってある意味チームプレーなんである。そんな大事なことをちっとも知らなかった。ついでに言えば、競輪の自転車にブレーキがないなんて(不要だから?)、競輪選手にはスネ毛がないなんて(邪魔だから?)、ちっとも知らなかったよー!
一目瞭然の予想に、参りました!
ひとつのレースが終わると、次のレースの出走選手たちがバンクをゆるゆると走る。私は単なるウォーミングアップだと思っていたのだが、なんと、このとき選手たちはラインを見せてくれているのであった。競馬でいうパドック、競艇なら展示航走。すかさず車番の並びをメモすることが予想の第一歩である。
師匠は7色のマーカーペンで新聞(当然ながら専門紙=500円)をラインごとに色分けしていく。「次に重要なのは過去の成績」、「3日目になると年寄り(といっても40代)は疲れてるからダメ」などのヒントをつぶやきつつ、優秀な数字を次々と塗っていく。すると、あら不思議。強そうなラインと選手が一目瞭然に浮き出て見えるのである。いや、参りました。
初心者の予想のコツは…
さらに伝授されたのは「流し」という車券の買い方。これは軸となる1着を決めて、2着・3着は数種類を用意するもの。師匠は3パターンの軸で、計12通りの車券を300円ずつ買うように勧めてくれた。なるほど、そもそも一点買いで当てようってのがビギナーの大きな間違いなのかもしれない。
そして、その車券は見事に3連単をゲット!配当はなんと121倍の大当たり! 「どうだ、大儲けしただろ!」と祝福してくれる師匠。すみません、びびって100円しか買ってませんでした。でも、大儲けです!
そんな調子で最終レースは、ラインと過去の成績だけに注目して自力でトライ。まぐれかもしれないけど、1着と3着を当てるまでに私は成長したのであった。
予想のコツを一言でいうなら、「大声で予想自慢をしているオジサンを見つけて教えてもらうこと」ですね!
第3回へつづく